水利尿薬 サムスカ錠

効果追加申請

2012年8月の医療関係プレスリリースニュースから、気になる記事をご紹介したいと思います。
今回選んだのは、2012年8月1日、大塚製薬(株)が発表した肝硬変の医薬品であるサムスカ®錠についての効能追加申請に関するプレスリリースです。

大塚製薬株式会社は、「サムスカ®錠 (一般名: トルバプタン)」に関して、「肝硬変における体液貯留」を対象にして、世界で初めて水利尿薬としての効能追加申請を7月に厚生労働省へ行っていたことを発表しました。
肝硬変の患者は、日本国内に約27万人いるのだそうです。
 

肝硬変

肝硬変は、ニュースなどでも一時大きく騒がれていたB型やC型のウイルス性肝炎のほか、皆さんもよくご存知のように、アルコール摂取過剰や脂肪過多の食事など食生活の不摂生等が原因でも発症します。
お酒が大好きで止められない方や、付き合いや接待で、毎晩のように大量の飲酒をしていたという人がなりやすい病気とも言われています。

肝硬変が進展して肝機能が低下すると、様々な合併症が発生するのだそうです。
中でも、皮膚の色が黄色く濁る黄疸や、顔などがパンパンに腫れぼったくなる浮腫(むくみ)、お腹に水がたまってしまう腹水が多く見られる症状です。

浮腫や腹水といった体の中に水分が溜まってしまう、体液貯留と呼ばれる症状を抱える患者さんは約10万人いるのだそうです。
体液貯留が起こると、お腹がパンパンに張れて苦しい、食欲が沸かない、疲れやすくなる、呼吸がしづらいといった状況に陥り、水分の摂取が厳しく制限がされたり、腹水を抜く治療が必要になるなど、患者さんは日常生活に支障をきたすだけでなく、本人が、とても苦しい思いをします。
 

対処法

これまで、肝硬変における浮腫や腹水への対処として、水分や塩分の制限に加え、利尿薬を投与する治療が広く行われてきました。
投与した利尿薬で効き目が出ないと、利尿薬の量を増やしたり、別の種類の利尿薬を使って治療が行われることになります。
しかし、利尿薬は使い過ぎることにより、効き目が低下し、治療効果が低減する場合があります。

また、一種の副作用というか弊害があり、血中の電解質のバランスが崩れてしまったり、肝機能のみならず、老廃物や余分な水分をろ過して尿をつくって排出する腎臓の機能が低下してしまうことがあるそうです。
腎機能の過度な低下は、人工透析の必要性など、日常生活にも精神的にも負担となる治療の必要性をも誘発しかねません。

そこで、肝硬変による浮腫や腹水の治療には、これまでの利尿薬とは異なる新しい機能をもった利尿薬が切望されていました。
大塚製薬の 「サムスカ」は、水だけを出すという新しい作用をもった水利尿薬なんだそうです。
日本では、既に2010年に心不全における体液貯留の適応症に対する水利尿薬として世界に先駆けて販売されています。

この効能が、今度は肝硬変にも適用されることになるわけです。
この薬により、肝硬変の患者さんが、少しでも苦しみが緩和され、意欲を持って、治療に取り組めるようになるといいと思いました。

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